CONSEO シンポジウム

SDGs、Chat GPT、
その次のビジネストレンドは……
「衛星地球観測データ」?!
“見通せる社会”の実現、2040年に向けて
2兆円規模産業への成長を目指す!!

「CONSEOシンポジウム2023」
が開催!

〜 産学官による国内最大の
衛星地球観測コミュニティによる、
東洋最大級のシンポジウムとは...?〜

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産学官が集い衛星地球観測に関する政策提言や共創活動を行う「衛星地球観測コンソーシアム(CONSEO)」は、衛星地球観測が拓く未来は2040年にどの様な姿なのか、有識者との議論を通して考えるCONSEOシンポジウムを2023年5月29日(月)に東京ポートシティ竹芝 ポートホールで開催しました。

CONSEOとは、産学官が集い衛星地球観測に関する政策提言や共創活動を行うために設立された、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が事務局を務めるコンソーシアム。 現在、186社(2023年5月29日時点)の法人・団体会員を擁するコンソーシアムとなっており、会員の業種は多様。 CONSEOシンポジウム2023では、衛星の開発メーカや衛星データ利用を事業の中心に据えている企業はもちろんのこと、自動車やエレクトロニクス産業、商社、金融業、地方自治体等、衛星地球観測分野に新たなプレーヤーとして参加している方々も多く来場されました。

第一部 CONSEOの活動総括

会長挨拶

開会挨拶では、角南篤氏(CONSEO会長, 公益財団法人笹川平和財団 理事長)が「見通せる社会を衛星地球観測が先導していくにあたり、利用の成果がさらなる官民の投資に繋がるような持続的なエコシステムを構築、2040年には我が国の衛星地球観測産業を2兆円規模まで成長させることを目指す」と提言。
 また、「見通せる社会の実現に向けては、目標を共有した多様なプレーヤーによる共創が不可欠」だと述べ、シンポジウムはこの提言内容を具体的なアクションに繋げたり、専門家や有識者などのプレーヤーにより新たな視座や知見を得る機会となっていることに言及。本シンポジウムを通じてさらに多様な分野からの新規参画及び支援を期待するとともに、見通せる社会を共に作っていくプレーヤーの参画を呼びかけました。

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来賓挨拶

来賓挨拶では、坂口昭一郎氏(内閣府 宇宙開発戦略推進事務局 審議官)が、「今後決定される宇宙基本計画を踏まえて日本の衛星地球観測の社会実装、産業構造強化についての戦略を、官民で議論を深め具体化していくことが必要」であることに言及し、本コンソーシアムで期待される内容が、より一層利用者側に主体的に参加いただいた上で将来ニーズを十分に把握し共通認識のもとで議論を深めていくことが重要だと述べました。その上で「政府における具体的な検討につなげていただくことを期待しております」と話されました。

次に、永井雅規氏(文部科学省 大臣官房審議官(研究開発局担当))が、CONSEOの提言である、“2040年頃に実現を目指す未来社会像”を踏まえた角南会長からの説明を受け「見通せる社会というものが掲げられているということ」「衛星地球観測を通じて様々な広がりを持った付加価値を創出していく」ことに対し、「こういった思いが非常に分かりやすく表されているのではないかと私自身も思います。宇宙基本計画に定める目標、将来像とも大きく重なり合うんじゃないかなと感じています」と共感と感想を述べました。

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CONSEO提言について

CONSEOの提言について平林毅氏(CONSEO事務局 JAXA第一宇宙技術部門 地球観測統括)は、衛星地球観測が貢献し発展していく上で3つの軸となる①衛星地球観測に関わる研究開発、②社会実装の促進に関する取り組み、そして、③産業競争力の強化に関する取り組みを説明。「それぞれが個々に展開されるのではなく産学官連携のもとで戦略的かつ総合的に推進することが重要」と、その提言を述べました。

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CONSEO 2023年度の取り組みに関する紹介について

CONSEO 2023年度の取り組みに関する紹介については、松尾尚子(CONSEO事務局 JAXA衛星利用運用センター技術領域主幹)が、「衛星地球観測を知ってもらう、そしていろんな方々を繋ぐ。使う人、あるいはデータを出す人、あるいはそのデータを生み出す衛星を作る人、そういった人たちを繋ぐことが、2023年度の重要な取り組み」と説明。その上で、新しいものを生み出す好循環が生まれるのではないかとの期待を寄せ、「これらの活動をワクワクしながら、あるいは楽しみながら、そういった形で進めることによってより良い未来にたどり着くのではと考えております」と締め括りました。

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衛星地球観測に係る多様な取組

衛星地球観測に係る多様な取組については、まず、伊奈康二氏 (経済産業省 製造産業局 宇宙産業室長)が登壇。経済産業省の観測衛星データ利用ビジネス振興施策について「衛星データプラットフォーム「Tellus(テルース)」の開発をおこない、衛星データを使ったビジネス促進のための地域実証事業というものを進めております」と、その取り組みを述べました。
次に登壇したのが高薮縁氏 (CONSEO副会長 東京大学大気海洋研究所 教授)。地球衛星観測の統合的戦略立案の必要性について、学術会議での議論として、長期戦略を構築し新しい技術革新を伴う発展的継続人材育成、国際連携、そしてオープンサイエンス化によるデータの有効利用を推進することが肝要であることを訴えました。

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第二部キーノートスピーチ&
パネルディスカッション
「Envision the Futureを目指して」

キーノートスピーチ①

第二部では、まず、キーノートスピーチ&パネルディスカッション「Envision the Futureを目指して」と題し、最初のキーノートスピーチに北祐樹氏(GaiaVision代表取締役, 東京大学生産技術研究所 研究員)が登壇。
気候科学と衛星データが拓く新ビジネスと気候変動への適応について、見通すという力がまさに衛星データや気候科学が持つ無限大の可能性であり、これら様々な研究をすることでより社会、経済、金融に大きなメリットを与えることができる、ということを説明し、自社でも、その研究を進めていくという決意も話されました。

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キーノートスピーチ②

次のキーノートスピーチには村上敬亮氏(デジタル庁統括官 国民向けサービスグループ グループ長)が登壇。デジタル庁の現状と課題について、AIの時代だからこそ、計算機リソースの時代であるからこそ、こうしたデータ連携やデータスペースの構築が重要になっていくとよりセキュアで確実なデータスペースの構築ができる国から順に競争力を手にしていく時代になると問題提起とその解決先を提示しました。

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パネルディスカッション①
「気候変動と安全保障」

最初のパネルディスカッションには、小林鷹之氏(衆議院議員 前内閣府特命担当大臣(宇宙政策))、角南篤氏(CONSEO会長, 公益財団法人笹川平和財団 理事長)、長島純氏(日本宇宙安全保障研究所理事 アジア太平洋安全保障研究センター(APCSS) 客員研究員)と進行役に白坂成功氏(應義塾⼤学⼤学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授)が登壇。気候変動が社会に大きな影響を与えることについて気候安全保障と言われていること、農業や経済等も含めた安全保障について多様な観点でのグローバルな課題への取り組み等、各パネラーが様々な意見を述べ、「データにまつわる権利、データにアクセスする権利、こうしたものをどうやって日本の法律上位置付けていくのかを含めて併せてやっていくことで、衛星から得られるデータというものをより社会に還元しやすいシステムを作っていくことが必要」などと活発な議論が交わされました。

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パネルディスカッション②
「デジタル・グリーンとの融合による新しい社会へ」

次のパネルディスカッションには、馬田隆明氏(東京大学 産学協創推進本部 FoundXディレクター)、松本紋子氏(ANAホールディングス株式会社 グループ経営戦略室 事業推進部 宇宙事業チームマネージャ)、石田真康氏(A.T.カーニー株式会社 ディレクター, 一般社団人SPACETIDE 代表理事兼CEO)と進行役に谷本有香氏(Forbes JAPAN 執行役員 Web編集長)が登壇。CONSEO提言においてデジタル・グリーンとの融合が不可欠とされたことから、見通せる社会において衛星データがどのように活かされるのか、未来として想像されるデータドリブンな社会に向けての取組みを議論しました。
「グリーン等の従来の衛星データ活用においては、課題設定を適切に行えば活用方法を導き出すことができる。他方で、デジタルは顧客満足度により市場(人々の笑顔=価値)が決まる。」「気候テックでは、衛星を使った分析の次にあるアクションを検討することに重きが置かれる。衛星等のテクノロジーは引き続きベース(基盤)であるが、その上のレイヤーを気候テックなどでは重視して考える時世となってきている。」など活発な意見が交わされました。

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閉会挨拶

閉会挨拶では、中須賀真一氏(CONSEO副会長, 東京大学大学院工学系研究科 教授) が登壇。「沢山のステークホルダーの中で、地球衛星の活用プランについて議論ができる組織は今までなかった。去年から地球観測において、議論ができるプラットフォームができた事は、日本にとって非常に大事なことだと思います。今日はいろんな議論があり、皆さん刺激を受けたと思います。この熱いうちに次のアクションに繋げていただきたい」とCONSEOシンポジウム2023の最後を締めくくった。

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CONSEOシンポジウム2023
開催概要

イベントタイトル
衛星地球観測コンソーシアム(CONSEO)シンポジウム2023
会場
東京ポートシティ竹芝 ポートホール(〒105-7501 東京都港区海岸1-7-1 東京ポートシティ竹芝 オフィスタワー1階)
または、オンライン配信
開催日時
2023年5月29日(月) 13時00分より報道受付開始(先着順)
1部:CONSEO活動の総括 13時30分〜14時30分
2部:Envision the Futureを目指して 14時45分〜17時00分
総合司会
桝太一氏 (CONSEOアンバサダー/同志社大学ハリス理化学研究所助教)
主な登壇者(順不同)
伊奈康二氏 (経済産業省製造産業局宇宙産業室 室長)
村上敬亮氏(デジタル庁 統括官 国民向けサービスグループ長)
北祐樹氏(GaiaVision代表取締役、東京大学生産技術研究所 研究員)
小林鷹之氏(衆議院議員、前内閣府特命担当大臣(宇宙政策))
角南 篤氏(CONSEO会長、公益財団法人笹川平和財団 理事長)
長島 純氏(日本宇宙安全保障研究所 理事、アジア太平洋安全保障研究センター(APCSS) 客員研究員)
白坂成功氏 (應義塾⼤学⼤学院 システムデザイン・マネジメント研究科教授)
松本紋子(ANAホールディングス株式会社 グループ経営戦略室 事業推進部 宇宙事業チームマネージャ)
石田真康氏(A.T.カーニー株式会社 ディレクター、 一般社団人SPACETIDE 代表理事兼CEO)
馬田隆明氏(東京大学 産学協創推進本部 FoundXディレクター)
谷本有香氏(Forbes JAPAN 執行役員 Web編集長)

衛星地球観測コンソーシアム
(CONSEO)とは?

産学官が集い衛星地球観測に関する政策提言や共創活動を行うために設立された、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が事務局を務める「衛星地球観測コンソーシアム(CONSEO)」
CONSEOでは、2022年9月の設立以降、設立総会シンポジウム、ワーキンググループ・分科会等での議論やインプットを基に、2023年3月、衛星地球観測に関する政策議論への提言を策定。提言では、衛星地球観測の強みを活かし、地球規模の課題解決やデジタルトランスフォーメーション(DX)・グリーントランスフォーメーション(GX)に不可欠な情報を提供し、「見通せる」社会の実現を先導し、衛星地球観測を活用した多様な情報・ソリューションによる「より良い未来」を実現すると共に、2040年に日本の衛星地球観測産業2兆円規模を目標としました。
また、この目標に対し、衛星地球観測は①我が国の社会的な課題や地球規模の危機への対応などの公共利用を中心とした領域に不可欠なツールになっているとともに、②産業的にも発展が期待される成長分野であるデジタル・AI、グリーン分野等と融合し、民需を中心として衛星地球観測産業が持続的に拡大し、二つの領域の取組がシナジーを生みながら成長する将来像の実現を目指すこととしました。

宇宙からの視座を持つ衛星地球観測は、私たち人類が直面する様々な地球規模課題の解決に用いることのできる科学技術の一つとして、安全保障・社会経済・科学技術のいずれにおいても、ステークホルダからの期待が高まっており、これからの社会経済の基盤における重要な情報として注目されつつあります。
他方で、近年、衛星地球観測を含む宇宙活動は、官主導から官民パートナーシップの時代に入っており、宇宙産業を取り巻く社会経済や市場にも変化をもたらしつつあります。現在、186社の法人・団体会員を擁するコンソーシアムとなっており、会員の業種は多様です。衛星の開発メーカや衛星データ利用を事業の中心に据えている企業はもちろんのこと、自動車やエレクトロニクス産業、商社、金融業、地方自治体等、衛星地球観測分野に新たなプレーヤとして参加している方々も多くいます。
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